新NISAの3つの弱点とは?
皆さん、こんにちは。
園原新矢です。
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シンさんのお金の学校
「マンガ・資産家シンさんの教え」のシンさんが
難しいと思われがちなお金に関するアレコレを
出来るだけ分かりやすくお伝えいたします。
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本日のテーマは「新NISAの3つの弱点とは?」です。
前回は
これだけは押さえてほしい!新NISAの基本
というテーマでお話しました。
今回お伝えしたいのは
メリットばかり注目されがちな新NISAですが、
実は3つの弱点が存在するということです。
3つの弱点とはなんなのでしょうか?
1つずつ説明していきます。
1つ目:損失が出ても「損益通算」できない
これが最大のデメリットだと言えるかもしれません。
「損益通算」とは同一年分の利益と損失を相殺することを言います。
課税口座である一般的な「特定口座(課税口座)」では
1年間の損益が通算され、税金が計算されます。
例えば通常の「特定口座(課税口座)」で
今年2024年1月にAという株を100万円分買って、翌月2月に150万円で売れたとします。
その場合、50万円の利益に対して約20%の税金「10万円」が源泉徴収されます。
その後しばらくして2024年11月にBという株を100万円分買って、12月に60万円になったので損切りをしたとします。
この時のマイナスは40万円です。
同一年内に50万円の利益と40万円の損失が出ているので、
それらを「損益通算」すると、実際には10万円しか利益が出ていないという処理になります。
ですので、実際の税金は10万円の利益に対して約20%の税金「2万円」だったということになります。
この場合は先に源泉徴収された税金10万円の中から8万円が還付されることとなります。
これが損益通算と言われるものです。
一方で「NISA口座(非課税口座)」での売買損益は全てが非課税になり、
損失は税制上ないものとして扱われます。
そのためNISA口座で損失が出た場合でも、損益通算はできません。
NISA口座だけでしか取引していない人は非課税のため気にしなくてよいでしょう。
しかしNISA口座と特定口座の両方で取引されている人は
NISA口座の損失と特定口座の利益を相殺することはできないので注意が必要です。
2つ目:18歳未満は口座開設ができない
2023年まではジュニアNISAが利用できました。
しかし、2024年からはジュニアNISAの新規設定は不可になりました。
NISA口座を開設できるのは「18歳以上」の成人からのみとなります。
つまり未成年対象の非課税制度はないということです。
新NISAはとても魅力的な非課税制度ですが、子供向けに複利効果を狙って長期投資したいニーズには応えられません。
あくまでも親の口座で子供向けの資産構築を考える必要があることは、ちょっとした弱点と言えるでしょう。
3つ目:つみたて投資枠では上場株を買えない(逆はできる)
つみたて投資枠と成長投資枠の違いについては前回お伝えしましたが、
つみたて投資枠で買える商品は
「金融庁の基準を満たした投資信託のみ」となっています。
そのため「年間120万円のつみたて投資枠で株を買いたいな〜」と思っても購入することはできません。
この点は要注意です。
逆に成長投資枠に関しては対象商品の範囲が非常に広く、
上場個別株から投資信託まで購入することができます。
もちろん成長投資枠の年間240万円の範囲で
「つみたて投資枠の対象の投資信託」を購入することは可能です。
そのため「つみたて投資枠の対象商品だけで枠を使う場合」は
年間360万円、最大で1800万円まで利用可能となります。
しかし前回も述べたように
わざわざ成長投資枠で投資信託を購入するメリットはありませんので、個別の上場株を買うことに活用しましょう。
新NISAで上場株式を買うなら年間240万円、最大1200万円までです。
いかがでしたでしょうか?
メリットばかりのイメージが多い新NISAですが、思わぬ弱点もあります。
それぞれの特徴をしっかりと把握して最大限に活用したいですね。
次回は
新NISAで絶対「積立投資」をするな!投資初心者ほど陥るワナとは?
というテーマでお伝えします。
お楽しみに!